Silk story >> シルクの話
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日本のシルク、アメリカの赤ちゃんを救う
絹は健康衣料品
なぜシルクの肌着なのか
床擦れにもシルクの肌着
絹は抗菌性が強い
防寒具として優れた放湿性を発揮
シルクの洗濯法
シルク製品の保管
- 日本のシルク、アメリカの赤ちゃんを救う
- 「本絹の肌着がなければ生命が危ない」と言う奇病にとりつかれた、アメリカの生後2ヶ月の坊やが、日本の商社マンの好意で白羽二重2反を贈られ、無事に育ったと言うニュースが地元のシアトルの新聞に大きく報じられた。それによると、「坊やを苦しみから助けて。絹織物はありませんか」と言う訴えの手紙が商社マンの目に入った。
手紙の主は、アイダホ州レイウストン市に住むフレッド・マクフォール夫婦で、手紙には「生後2ヶ月のトラビスちゃんの皮膚が非常に敏感で、ちょっとした摩擦でもすぐ全身に火ぶくれを起こすようになった。これはアメリカ国内でも過去百年間に3例しかない奇病で、医師も子供の成長は難しいと言っています。
せめて、本絹の肌着がなければトラビスちゃんの生命が助かるのですが・・・・。でもレイウストン市では本絹は手に入りません。なんとか助けてください」と、切々とした訴えが書かれてあった。
商社マンは、直に日本から白羽二重2反を取り寄せ、夫婦に贈った。 本絹の肌着に包まれたトラビスちゃんは、うそのように火ぶくれも治まり、ミルクも飲むようになり危機を脱出したと言う事でした。
- 絹は健康衣料品
- 昔からシルクは、女性を飾る為の専売特許品でありますが、女性がシルクをまとい美しく成りたいと言っても、そうは簡単に問屋が卸しません。
なぜなら、第一に値段が高い事です。それは、今でも余り変わりません。シルクロードを運ばれた時代には、黄金に匹敵しました。したがって、かなり経済的に余裕がなければ着る事が出来ませんでした。これは洋の東西を問わず同じです。
我が国とて例外ではありませんでした明治に入り、自由、平等になったとはいえ、シルクは普段着にはなり得ず、もっぱら貴重品として使われて来ました。
- なぜシルクの肌着なのか
- なぜシルクが良いのか考えて見ましょう。 さわやかな着心地の良い衣料とは、吸汗性があり、水分を透過させるような素材から出来ています。シルクはその典型といっても過言ではありません。
シルクの特質である着心地の良さは何からくるのでしょう。それは、絹繊維の内部微細構造である、ボイド(穴)の存在が大きくかかわっています。 蚕が吐く糸は、絹糸線に液状絹として貯められ、時期が来ると一気に吐き出します。
ですから、それまではフィブロインの繊維化は起きていない分けです。繊維化は吐糸部で急激に起きます。 この時、吐き出された糸を顕微鏡で見ると、表面に無数の水滴が見られますが、これは吐糸時に糸の内部から絞り出された水分です。
その水分が出てしまった跡が、微細な空隙となって残るのです。これが、シルクの特質を左右するボイドの正体です。人の体から出た汗は、毛細血管現象によってボイドを伝わってシルクに吸収されるのです。
さらに、シルクフィブロイン分子は、18種類にも及ぶアミノ酸から構成されている為、その中には水分子とくっつき安い反応を持つ性質(親水性基)を現すものもあります。 この親水性基がある故に、水分子をボイドに取り込み易くなるわけです。
このボイドと親水性基の存在により、シルクの肌着は体からの発汗を良く吸収し、放湿性が良く、さらっとした着心地が得られるわけです。
吸汗性は綿でも羊毛でも同じです。それにかかわらず、シルクの肌触りが良いのは、なぜなのでしょう。シルクは体の表皮を構成しているタンパク質と親戚で、この点、異なるセルローズが基本の綿とは基本的に違います。 同じようなタンパク質からできている羊毛と比べてみても太さが違うと同時に、羊毛には表面にスケール(皮殻)があります。これが皮膚と接触すると摩擦によりチクチクし嫌悪感を伴うのですが、シルクはこの様なひっかかりがない為、滑らかな感じを与えるのです。
シルクは、摩擦に弱いので着ているうちに毛羽立ち始め、無数の微細繊維(フィブリル)の出る事が顕微鏡下で見られます。これがシルクの欠点と言われてきました。ところがこれら微細繊維は、箒の役目をして体表にあるアカや細菌を掃き落としてくれます。
庭を掃く時、竹箒より草箒の方がより細かいゴミまでかき集めますが、これと同じ様な理由で体を動かす事によりシルクの微細繊維が体を清めてくれるのです。
シルクを直接肌の上に着て、その上に綿か羊毛を着た方が、シルクを一番外側に重ね着した場合より体重の減少が早かったとの実験結果があります。シルクは素早く汗を発汗し易いため、この様な結果になったのです。 シルクの下着がさっぱりした感じを与えるのもこのためです。この様に吸湿、放湿性は肌着として最も重要な性質です。 - 床擦れにもシルクの肌着
- 老人になると、皮膚にできた傷の治りが遅く、寝たきりの病人には多かれ少なかれ床擦れが起きます。 寝たきりの老人のかたに床擦れ防止に勤めようとしましたが、腰や肩が赤く腫れ、とうとう体液がにじみでて、体を動かすとき痛みを訴える様になりました。
そこで絹布を傷口にあて寝かせた所、一週間ほどで床擦れがきれいに治ったとの事です。これもシルクは吸湿性がよく、細菌の繁殖を阻害する結果です。丈夫な人でも、シルクのシーツを敷き、シルクのパジャマを着て、シルク布団をかけて休めば、安眠ができ健康を保つ事ができます。
- 絹は抗菌性が強い
- 研究所は絹の吸湿性と放湿性が微生物の繁殖を抑制し、人の皮膚を正常な生理状態に保つのだと述べています。
また絹は、その吸湿性の良さから有毒物質を吸収し肌を守ります。抗菌性のあることは、次のような簡単な実験からもわかります。絹布で包んだ餅と、包まない餅を常温で室内に置いて一週間観察しますと、そのままの餅にはカビが生えてきますが、絹布で包んだ餅にはカビが生えません。
これらから類推して、シルクの肌着は明らかに細菌の生育を阻害する働きをもっています。研究所は絹の吸湿性と放湿性が微生物の繁殖を抑制し、人の皮膚を正常な生理状態に保つのだと述べています。
また絹は、その吸湿性の良さから有毒物質を吸収し肌を守ります。抗菌性のあることは、次のような簡単な実験からもわかります。絹布で包んだ餅と、包まない餅を常温で室内に置いて一週間観察しますと、そのままの餅にはカビが生えてきますが、絹布で包んだ餅にはカビが生えません。
これらから類推して、シルクの肌着は明らかに細菌の生育を阻害する働きをもっています。
- 防寒具として優れた放湿性を発揮
- シルクの肌着が体から出る水分を吸収する機能は、綿の1・3倍から1・5倍あります。逆に、その水分を外気に放つ機能も綿の1・5倍と勝っています。吸収した汗を素早く乾かし、皮膚をいつもサラッと乾いた状態にしてくれます。
しかも抗菌性とあいまって細菌を繁殖させることなく衛生的です。極地を探検した故・植村直巳さんは、防寒具としてシルクの肌着を選んだそうです。綿やウールは保温性があって暖かいとはいえ、濡れると乾きにくいため、凍り付いてしまうからだそうです。
- シルクの洗濯法
- シルク製品を買ってみようかな・・・とか、今、持っているけど手入れが大変。などでお悩みの方、是非お読み下さい。
ブラウス、セーターで裏地が付いている物は、今までどうりクリーニングにお出し下さい。それ以外のシルク商品に付いては、殆ど家庭で洗濯出来ますのでお試し下さい。 クリーニングクリーニング店に依頼する場合は、その店がシルクを間違いなく扱えるかどうかを調べた上、素材がシルク(混紡の場合はその割合)であることを伝え、シミ等がある場合は、その場所と原因を知らせると良いでしょう。
家庭での洗濯
取り扱い「絵表示」に従って、中性洗剤やシルク専用洗剤を使用し色物と白物とは分けて洗ってください。洗濯機で洗えるシルクに付いては、洗濯ネットにいれて洗って下さい。また、塩素系漂白剤は生地を傷めますので絶対に使用しないでください。
黄変を少しでも遅らせる家庭でも出きる具体的な方法としては、洗濯と保存に注意する事です。まず洗濯については、カルキなど塩素や鉄、マンガンなどの金属イオンを含まない水を使い、洗剤は中性洗剤をお使いください。
間違っても洗濯石鹸を使う事は禁物で、塩素系漂白剤の使用も絶対にいけません。塩素や鉄などは絹の酸化を促進するからで、また蛍光漂白剤入りの中性洗剤も好ましくありません。
蛍光漂白剤は目に見えない紫外線を吸収して青みがかった光を出すので、見た目には白く見えるが、吸収された紫外線の一部は絹の化学的に不安定な部分を攻撃して光酸化反応を促進し、黄変を早めます。
洗濯機を使う場合は、ネットに入れて短時間ですませ、シワになるので脱水機は使わない方が良いでしょう。
ニットの製品には、中性洗剤を使用、30度程度のぬるま湯で手洗いしてください。絹専用洗剤のご使用をお勧めします。
洗濯後はきれいな温水で洗剤が残らないように十分すすぎ、すぐに形を整えて、乾燥には風通しのよい日陰に干してください。
アイロンかけ
木綿の当て布をして、120度から130度程度(指示目盛よりやや低め)で軽くかけます。
霧吹きをする場合は当て布の上から均一に湿らせ、シミをつくらないように注意してください。 スチームアイロン使用の時も、水滴に気をつけて短時間で仕上げてください。また、織物の経糸、緯糸の方向に 沿ってかけ、アイロンを布の上で止めないようにしましょう。 - シルク製品の保管
- おしゃれを楽しんだ後のシルク製品の保存の方法として、光がささないところ、酸素と水分の少ない所を選ぶとよく、それには密閉出きるプラスチックの袋に吸湿剤と脱酸素剤を入れると良いでしょう。
また、スポンジ等でくるんだハンガーに下げて型くずれを防ぎ、湿気の少ない洋服タンス等に保管してください。
クリーニング店から戻ったままの針金ハンガーは絶対使用しないでください。防虫剤は絶やさない事が大切ですが、直接布地に当てないことと、2種類以上の併用は避けてください。 紫外線の強い日光や蛍光灯は、黄変やスポット焼けを起こし、生地を傷めるので、窓際や照明の近くに置かないでください。
以上のことに注意すれば、絹の黄変をかなり遅らせることができるはずです。
絹の黄変を防ぐ方法は、今の段階では洗濯や保存での適切な取り扱いが、黄変防止の最も良い方法です。